生を明らむると仏祖の道とす
仏さまの種まき

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あの名高い永平寺を開かれ、曹洞宗を広めた鎌倉時代の禅僧・道元禅師。その言葉に耳を傾けてみましょう。現代では仏教といえば先祖供養や葬儀の印象が強いかもしれません。しかし、釈尊が説かれた仏法の本質はそうではなく、「人生は苦である」という洞察から、その苦悩をどう乗り越え、いかにして心豊かに歩むかという、普遍的な人間の課題に挑んだ教えであるのです。この道元禅師の言葉にもあるように、自分自身の命の在りようを深く見つめたとき、そこにこそ仏の道が開かれる。その歩みこそが仏道そのものであると説かれています。仏の教えは、けっして遠いものではなく、求める心の中にすでにあり、誰の中にも息づいているのです。