仏道をならうというは 自己をならうなり
仏さまの種まき

仏道をならうというは
自己をならうなり
道元禅師

道元禅師(一二〇〇~一二五三年)は、曹洞宗のお坊様であります。
この言葉は、有名な句でありますが、このような言葉を祖師たちは多く残しておられます。

例えば、我が真言宗の祖師・弘法大師空海は、般若心経秘鍵の中で、「それ、仏法遥にあらず 心中にしてすなわち近し」と仰っています。
仏とは実態ではなく、お釈迦さまが説かれた法そのものであります。
お大師様の言葉をお借りすると、宇宙を構成している真理そのものであります。
道元禅師も修行をして仏になるのではなく、修行そのものが仏であると教えています。

つまり、仏という真理そのものが私の中に内包されているという事を、自覚するという事がとても大切なことなのです。
人はついつい外に目を向けがちですが、向こう側に仏さまを置いて拝むのではなく、内に内に目を向けていく内観の道が仏道そのものなのです。