自分の山を登ろう
仏さまの種まき

自分の山を登ろう
登山家 栗城 史多

先日、エベレスト登山中にお亡くなりになった登山家・栗城史多さん 享年三十五歳。
彼は登山中、凍傷によって指九本を失っても、再度エベレスト登頂を目指したという信念の人。独自の登山スタイルで多くの方を魅了していた彼の言葉から何を考えるか。

我々は時に、過去の慣習にとらわれ過ぎたり、大衆の常識に惑わされたり、他人がしているから自分もそうしなければならないという錯覚に陥る事があります。

しかし本当は、自分がやるべき事、為すべき事は自身の中にあるはずであるのに、他へ眼ばかり気にして自分の足元が見えていないのではないか。登るべき山が見えていないのではないか。

自分の山が存在している、その事は実は素晴らしい事なのです。

坂本龍馬も「世の中の人は何をぞ言わば言え我が為すること我のみぞ知る」と言っています。
人間突きつめて言えば、自分の信じた道を歩むほかありません。
過去を後悔せず、未来を案ずることなく、今、その瞬間を真剣に生きる。そうすれば、我が身に我が山が見えてくるだと思います。

平成三十年六月発行