“お知らせ”
- 啐啄同時
- 仏さまの種まき
この言葉を読めますでしょうか。「そったくどうじ」と読みます。これは禅の言葉で、教えを乞う弟子と教え導くものとの絶妙な好機を指します。啐(そつ)は、鳥のヒナが卵からかえる際に内側から突くこと、啄(たく)は、その音を聞いた親鳥が外側から殻を突くこと。つまり、「もうすぐ生まれるよ」という内側からの呼びかけに対し、「ここから出ておいで」と導くタイミングが同時であるということです。早すぎても遅すぎてもいけない塩梅があります。また、「弟子の準備ができた時、師匠が現れる」という言葉もあるように、互いに呼応するということが大切であります。仏道修行も師弟関係をとても大事にします。私の師匠からも、打てば響く人になれと言われました。何も考えずにボーッとしていては、絶好の機会を見逃すことになります。いつでも何かに没頭しその時を待つ。今般のオリンピックの様々な物語の中にも、こういった絶妙な師弟関係が存在していることでしょう。
