人間を尊重するということは 相手の話を最後まで静かに聞くことである
仏さまの種まき

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ようやく本堂落慶法要が終わり、少しずつ平常を取り戻してきております昨今でございます。さて、相手の話に耳を傾けるということは、出来るようでなかなか出来ていないのではないでしょうか。すぐに自分の話しを始めてみたり、上辺の共感をしてみたり、相手の話に真摯に耳を傾けるということは難しいものです。師匠の三浦俊良先生は、全身を耳にしてお話を聞いてくださいと学生さんに伝えておられました。全身を耳にするということは、相手の立場になり、心静かに耳を傾けるということです。その話が、自分自身に理解できるかどうかは構いません。まずは聞くということが大切なのです。お釈迦さまのお話を聞くことを聞法(もんぽう)と言い、仏教では「聞く」ということをとても大切にします。日本人は意見を交わすことがとても苦手だそうです。お互いの違いを、間違い、として処理してしまい、お互いを認め合おうとしません。しかし、話を聞く、ということは、あなたと私が分かり合えるということだけでなく、むしろ、あなたと私の違いをより深く自覚して、それぞれ益々自分自身になっていくということなのだと思います。