善人の家に争いごと絶えず 悪人の家に争いごとなし
仏さまの種まき

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この言葉は曹洞宗を開宗された道元禅師のお言葉です。この言葉の意味はお分かりでしょうか。世間の常識であれば反対ではないのかと思う方も多いのではないでしょうか。善人とは、自分の知識や行い、考え方こそ正しいと思っている人で、そこには自分を振り返ろうという謙虚さが無く、自分の考えと違えば争いが起きます。それに対して、悪人とは、仏様の教えに出逢い、自分の考えがいかにおろかで自分勝手なものであるかということを知った人のことです。それによって自身を深く見つめることが出来るのです。このように、自分の中にある悪い心を深く反省し自覚することによって、争いは無くなります。仏の教えに出逢うということは、自分の考えが正反対であったということを知ることでもあります。善人の顔を持った悪人になるより、悪人を深く自覚した善人になることです。