真実の幸せを得ようと思うなら 足ることを知る智慧を持ちなさい
仏さまの種まき

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「遺教経」には、「汝等比丘」(なんじらびく)という言葉が何度も何度も繰り返されます。「汝等比丘」とは「お前たち、修行者たちよ」という意味で、ずっと可愛がってこられたお弟子さんたちに対する、親しみを込めた呼びかけのお言葉です。その中に、『真実の幸せを得ようと思ったら、つとめて少欲になりなさい。欲が少なければ、心は常に平穏であり、憂いや畏れから遠離ることができるのだ。足ることを知った人は、たとえ地上に臥しても心は安らかであり、足ることを知らない人は、たとえ天上の豪華な宮殿に住まいしても満足できないものだ。足ることを知らない人は、どれだけ財産があろうとも、それは貧しいとしか言いようがないものだ。足ることを知る人は、財産などなくとも、豊で満ち足りた生涯を楽しむことができるのだ。』とお釈迦様は言っておられます。三月は春のお彼岸の季節です。荒れ狂う世の中にあって、心を静かに落ち着け、少欲にして幸福であることを知る良い機縁としお過ごしください。