足りないものは 音を立てるが 満ち足りたものは 全く静かである
仏さまの種まき

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仏教で、我々のような存在を凡夫(ポンプ)と言います。未だ迷いの中におり、悟りの境地に達せず、しかし悟りつつある存在という意味でございます。哲学者の梅原猛先生は、「仏になりたいけど なかなか仏になれない」と仰いました。文中の「足りないもの」とは、つまり凡夫である我々のことを指しますね。その凡夫は、いつも不平不満を言い、多数の意見に惑わされ、それが真実のように思い、心はいつも散乱しております。一方で、「満ち足りたもの」とは仏であります。静かに自身を見つめ、周りに惑わされず、信じた道をひたすらに歩み続ける、心はいつも穏やかであります。今、恐ろしいほどの情報過多の時代。それに溺れつつある人々。これから特にこのような心の平安が求められるのではないでしょうか