昨日の私というものを 今、果たしている
仏さまの種まき

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「煩悩」と聞いたことがあると思います。その煩悩には二つあります。生まれてから起こった煩悩を「分別起」。それに対して生まれると共に持ってきた煩悩を「倶生起」と言います。赤ちゃんは真っ白で生まれたと思われるかもしれませんが、実はそうではなく、ちゃんと煩悩を持って生まれています。そして、その煩悩を起こし自分の運命を決定していきます。それを業(ごう)と言います。業によって未来を約束する。「業の因果は必ず二世にわたる」という言葉があります。業を作るのはこの生であるけれども、その業を約束するのは次の生だといいます。例えば、遺伝というのがありますね。ちゃんとお母さんに顔が似ていたりします。業を背負っているのです。今私がこうしてある、というのは突如現れたものでなく、現在の私は、過去に対する答えであり、未来に対する約束なのです。過去の約束を果たし、同時にまた未来を約束するということが、この現在の生であるといえるのです。